ホームページ制作会社と連絡が取れない時の対処手順と引き継ぎ先の探し方

制作会社と連絡が取れなくなっても、ホームページは今日明日で消えるわけではありません。
まず、そこからお伝えします。メールを送っても返事がない。電話は呼び出し音のまま。請求書だけは届いている。あるいは、会社のサイト自体がなくなっている。そんな状況で「うちのホームページはどうなるのだろう」と不安になるのは、当然のことです。
ただ、ホームページが表示されなくなるのは、連絡が途絶えたときではありません。ドメインやサーバーの契約が切れたときです。連絡が取れなくなった直後にやるべきことは、その「切れる日」を知り、自分の手元に何があるかを確かめること。順番にやれば、多くの場合は落ち着いて引き継ぎまで進めます。
先に立場をお伝えしておくと、私たち AoideProduction は、他社が作ったホームページの管理を引き継ぐ側の事業者です。だからこそ、引き継ぎの相談で「最初に何を確認するか」を、そのままこの記事に書きました。前の制作会社を責める話ではありません。連絡が取れなくなる事情はいろいろありますし、あなたが今すぐ困らないことがいちばん大切だからです。
この記事でお話しするのは 4 つです。①最初に確認したい 3 つのこと ②状況別の対処法 ③引き継ぎ先の探し方と選び方 ④同じことを繰り返さないための決めごと。上から順に読んでも、いま必要なところだけ読んでも構いません。
先に結論|確認するのは 3 つ、慌てなくて大丈夫です
最初に確認するのは、次の 3 つです。
- ドメイン(=ホームページの住所)は誰の名義で、いつまで有効か
- サーバー(=ホームページを置いている場所)はどこで、料金は誰が払っているか
- ログイン情報(WordPress・サーバー・ドメイン)が手元にあるか
この 3 つの答えによって、状況は「軽い」「中くらい」「急ぐ」に分かれます。名義もログインも自分の手元にあるなら、引き継ぎ先を探すだけです。名義や支払いが制作会社側にある場合は、有効期限を確かめて、期限までに動きます。
いずれの場合も、引き継ぎ先は見つかります。ホームページの引き継ぎは、Web の世界では珍しい仕事ではありません。順番に見ていきましょう。
連絡が取れなくなったら最初に確認したい 3 つのこと
ここからは、手を動かす手順です。パソコンとメールの検索ができれば進められます。専門用語は、出てきたところで噛み砕きます。
確認① ドメインの名義と有効期限を調べる
ドメインとは、example.com や example.jp のような、ホームページの住所にあたる文字列です。ドメインには持ち主(名義人)と有効期限があり、期限までに更新料を払わないと、住所そのものが失われます。
名義と期限は「Whois(フーイズ)」という仕組みで調べられます。ドメインの登録情報を、誰でも確認できる仕組みです。「Whois 検索」で検索して出てくるサービスに、あなたのドメイン名を入力してみてください。
見るところは 2 つです。
- 有効期限(「Expires」「有効期限」などの欄)— この日付が、いちばん大事な数字です
- 名義(「Registrant」「登録者」などの欄)— あなたの名前や屋号になっているか、制作会社の名前か
注意点がひとつあります。名義の欄に、あなたでも制作会社でもない登録業者の名前が出ることがあります。個人情報を隠す「代理公開」という設定のためです。その場合は名義が分からないので、契約書や当時のメールで「ドメインは誰が取ったか」を確認します。
有効期限が数か月以上先なら、時間はあります。数週間以内なら、この記事の「急ぐケース」から先に読んでください。
確認② サーバーはどこで、料金は誰が払っているか
サーバーとは、ホームページのデータを置いている場所です。土地にたとえるなら、ドメインが住所で、サーバーが土地。どちらかが失われると、家(ホームページ)は表示されません。
サーバーの契約先と支払いは、次の順で探すと見つかりやすいです。
- クレジットカードの明細・銀行の引き落とし — サーバー会社やドメイン会社の名前(エックスサーバー、ロリポップ、さくら、お名前.com など)があれば、あなた自身が契約者です
- 制作会社からの請求書 — 「サーバー費」「保守費」の項目があれば、制作会社が代わりに契約して、あなたに請求している形です
- 契約書・見積書・当時のメール — 「サーバーは弊社で用意します」の一文が手がかりになります
制作会社が契約者の場合、その会社の支払いが止まると、サーバーも止まります。連絡が取れない状態が続くなら、サーバーを自分名義で用意し直して引っ越すのが、引き継ぎの定番の流れです。ここは引き継ぎ先に頼める作業なので、いま自分でできなくても大丈夫です。
確認③ ログイン情報が手元にあるか
ログイン情報は、3 種類に分けて探します。
- WordPress の管理画面(
〜/wp-admin/や〜/wp-login.php)— 記事やお知らせを更新するときの ID とパスワード - サーバーの管理画面 — サーバー会社にログインするための情報
- ドメインの管理画面 — ドメインを取った会社にログインするための情報
納品時のメールや、「ログイン情報一覧」のような書類に書かれていることが多いです。メールなら「パスワード」「ログイン」「納品」で検索してみてください。
3 つのうち、WordPress の管理画面に入れるだけでも、状況はかなり軽くなります。中身(記事・画像・設定)を丸ごとコピーして、新しいサーバーへ移す作業ができるからです。逆に、どれも手元にない場合も、諦める必要はありません。ドメインとサーバーの名義があなたなら、各社のサポート窓口で本人確認をして、管理画面に入り直せます。
確認④ 契約書・請求書・メールをひとまとめにする
最後に、制作会社とのやりとりを 1 か所に集めておきます。契約書、見積書、請求書、納品時のメール、最後にやりとりした日付。
これは引き継ぎ先に見せる資料になるだけではありません。「月額に何が含まれていたか」「保守の契約は続いているのか」「解約の条件は何か」を、あとから冷静に読み直すためのものです。制作会社の名前で検索して、会社の状況(移転・閉業・倒産の情報)が出てこないかも、このタイミングで確かめておくとよいでしょう。
状況別の対処法|「誰が何を持っているか」で動き方が変わります
3 つの確認が終わると、あなたの状況は次の表のどこかに当てはまります。
| 状況 | ドメイン名義 | サーバー契約 | ログイン情報 |
|---|---|---|---|
| A: 軽い | あなた | あなた | 手元にある |
| B: 中くらい | あなた | 制作会社 | 一部ある/ない |
| C: 急ぐ | 制作会社 | 制作会社 | ない |
A は急ぎ度が低く、引き継ぎ先を探すだけ。B は期限を確認して計画的に。C は有効期限までに動きます。制作会社が「持っている」ものが多いほど、動きは急ぎになります。反対に、あなたが持っているものが多いほど、時間はあなたの味方です。
ケース A: 名義もログインも手元にある — 引き継ぎ先を探すだけ
いちばん軽いケースです。ホームページは制作会社と関係なく動き続けますし、あなたの意思で誰にでも管理を頼めます。
やることは 2 つ。前の制作会社との保守契約が続いているなら、契約書の解約条件に沿って解約の連絡を書面(メールで可)で送り、記録を残すこと。そして、次の章を読んで引き継ぎ先を探すことです。急ぐ必要はないので、比較しながら選んでください。
ケース B: サーバーだけ制作会社側にある — 期限を確認して引っ越しの準備
ドメインはあなたのもの、サーバーは制作会社が契約している、という形です。中小の制作会社では珍しくありません。
このケースの急ぎ度は、制作会社のサーバー契約がいつまで続くかで決まります。ただ、それは外からは分かりません。そこで、連絡が取れない期間が長引くほど「いつ止まってもおかしくない」と考えて準備します。
やることは、自分名義のサーバーを用意して、ホームページを引っ越すこと。WordPress の管理画面に入れるなら、引き継ぎ先がデータを取り出して移せます。入れない場合でも、表示されているページを元に作り直す方法があります。ドメインがあなたのものである限り、住所は変わりません。お客様から見えるアドレスはそのままです。
ケース C: ドメインもサーバーも制作会社の名義 — 有効期限までに動く
いちばん気をつけたいケースです。ドメインの名義が制作会社にあると、更新料が払われなかった時点で住所が失われ、ホームページは表示されなくなります。
ここで正直にお伝えします。ドメインを自分名義に移す(移管する)には、原則として現在の名義人の協力が必要です。 名義人と連絡が取れない状態では、移管の手続きが進められないことがあります。
そのため、動き方は 2 本立てになります。
- 連絡の手段をすべて試し、記録を残す — メール、電話、会社の問い合わせフォーム、郵便。会社がすでに倒産している場合は、後始末を担当する弁護士(破産管財人)が窓口になっていることがあります。会社名で検索して、その旨の案内が出ていないか確かめてください
- 並行して、新しいドメインとサーバーで作り直す準備をする — 有効期限が近いなら、これが本命です。名刺・看板・Google マップ・SNS に載せたアドレスの差し替えは手間ですが、ホームページの中身は表示されているページから復元できます
「新しいドメインになったら、検索順位が下がりませんか」と聞かれることがあります。影響が出る場合はあります。ただ、いまのアドレスが失われて何も表示されなくなるほうが、失うものは大きい。先に確保できるものから確保するのが、このケースの考え方です。契約やお金の話が絡む場合(前払いした保守費の扱い、契約の解除など)は、弁護士や商工会議所の相談窓口など、専門家に相談してください。この記事では扱いません。
連絡を試すときのコツ — 感情ではなく、事実と期限を書く
どのケースでも、連絡は書面(メール)を主にして、日付と内容が残る形にします。書く内容は 3 つで十分です。
- 事実: いつから連絡が取れていないか、何を頼んでいたか
- お願い: ログイン情報の共有、ドメイン・サーバーの名義変更、または引き継ぎへの協力
- 期限: 「◯月◯日までにご返信がない場合は、別の事業者に引き継ぎを依頼します」
責める言葉は入れないほうが、返事は来やすいです。相手にも事情があります。担当者が退職しただけで、会社に連絡すればすぐ解決した、という例も珍しくありません。
引き継ぎ先の探し方と、選ぶときの 4 つの確認
状況が整理できたら、次に管理を頼む相手を探します。ここは、引き継ぐ側の私たちが「相談を受けたとき、最初に見ていること」も含めてお話しします。
引き継ぎで頼めること
引き継ぎ先に頼めるのは、おもに次の 4 つです。全部を頼む必要はなく、必要なものだけで構いません。
- 現状の確認 — いまのホームページがどう作られているか、名義や契約がどうなっているかを一緒に整理する
- 名義・契約の整理 — ドメインやサーバーをあなたの名義にする手続きの案内、必要なら引っ越し(サーバー移転)
- 管理画面への復帰 — ログイン情報の再設定、更新の仕方の説明
- その後の保守 — 更新・バックアップ・困ったときの相談窓口。保守で何をするかは ホームページの「保守」って何をするの? にまとめています
引っ越しではなく作り直しになった場合の進め方は、ホームページが古くなった時の対処法 が参考になります。
探し方 — 3 つの入口
- 知り合いの紹介 — 同業者や取引先で「ホームページを誰かに見てもらっている人」に聞く。実際のやりとりの様子が分かるのが利点です
- 地域の制作会社・フリーランス — 「地域名 ホームページ 保守」「ホームページ 引き継ぎ 保守」で検索する。会って話せる距離感を大事にする方に向いています
- スキルマーケット(ココナラなど) — 「WordPress 保守」「ホームページ 引き継ぎ」で探す。評価やレビューが見えるので、比較しやすいのが利点です
どの入口でも、最初の相談で「いまの状況」を伝えられるように、前の章の 3 つの確認結果を手元に置いておいてください。相談がずっとスムーズになります。
選ぶときの 4 つの確認
引き継ぎ先を選ぶときは、次の 4 点を確認しておくと、同じことが起きにくくなります。
- ドメイン・サーバーはあなたの名義にしてくれるか — 「弊社名義で管理します」という提案は、便利な反面、今回と同じ構図を生みます。名義はあなた、管理を任せる、が基本形です
- 引き継ぎ前に現状を確認し、「できること・できないこと」を先に言ってくれるか — 他社が作ったサイトには、引き継ぎの時点ですでにある不具合が含まれることがあります。それを見てから範囲を決める相手のほうが、あとで揉めません
- 作業範囲と料金が書面で分かるか — 月額に何が含まれ、何が別料金か。回数の上限があるなら、超えたときにどうなるか
- やめるときの条件と、データの引き渡し方法が明確か — 解約の条件、そのときにホームページ一式(データ・ログイン情報)をどう渡してもらえるか
費用の目安は、保守・管理を任せる場合で月 5,000〜20,000 円程度が多く、含まれる内容で幅があります。くわしくは ホームページの月額費用、相場と内訳 で整理しています。引き継ぎ作業そのもの(名義整理・引っ越し)は、状況によって作業量が大きく違うため、現状を見てからの見積もりになるのが普通です。
ちなみに AoideProduction では、他社が制作したホームページの管理の引き継ぎもお受けしています。HPのかかりつけプラン(月額 9,800 円・税込 10,780 円)です。引き継ぎの時点で現状を確認し、対応できるかどうかを先にお伝えする形です。WordPress 以外のホームページも、多くはご相談いただけます。「まず状況を整理したい」だけのご相談も歓迎です。
同じことを繰り返さないために、次の依頼先と決めておくこと
引き継ぎが落ち着いたら、最後にひとつだけ。次に誰かへ管理を頼むときに、最初に決めておきたいことがあります。今回のような状況を、二度と経験しないための備えです。
- 名義はあなたに — ドメインとサーバーは自分名義で契約し、管理だけを任せる
- ログイン情報は自分でも保管する — 一覧にして、紙かパスワード管理アプリに残す。担当者が変わっても困らない形にしておく
- 引き渡しの条件を最初に書面で — 契約が終わるとき、データとログイン情報をどう渡してもらうかを、始める前に決める
- 連絡手段を 2 つ以上 — 担当者個人のメールだけでなく、会社の窓口や電話番号も控えておく
- 年に 1 回、有効期限を見る — ドメインとサーバーの更新日をカレンダーに入れておく
どれも 30 分あればできることです。ただ、ホームページが動いている間は忘れがちなことでもあります。今回をきっかけに、一度だけ整えておくと、次からは考えなくて済みます。
まとめ|今日ひとつだけやるなら
この記事の要点です。
- 制作会社と連絡が取れなくても、ホームページが消えるのはドメイン・サーバーの契約が切れたとき。まず「切れる日」を知る
- 最初に確認するのは ①ドメインの名義と有効期限 ②サーバーの契約先と支払い ③ログイン情報 の 3 つ
- 状況は「誰が何を持っているか」で決まる。あなたが持っているものが多いほど、時間は味方になる
- ドメインの名義が制作会社にあるケースは、連絡の記録を残しつつ、作り直しの準備を並行する
- 引き継ぎ先は、名義・現状確認・作業範囲・引き渡し条件の 4 点で選ぶ
- 次からは、名義とログイン情報を自分の手元に置く
読み終わったら、今日はひとつだけ。あなたのドメイン名で Whois を検索して、有効期限の日付をメモしてください。 5 分で終わります。その日付が分かった瞬間から、「いつまでに何をすればいいか」が見える状態に変わります。慌てる必要があるのかどうかも、そこで分かります。
自分で手を動かして整理するのもいい。誰かに横について整理してもらうのもいい。どちらを選んでも、その一歩目は同じです。
「引き継ぎ先を探す前に、まず自分のホームページの現状を知りたい」という方へ。
無料ホームページ健康診断 では、7 つの視点で拝見した結果と「まず直すなら、この 1 つ」を、専門用語のないレポート(A4 1〜2 枚)にしてメールでお届けしています。他社で作られたホームページでも、同じ 7 項目で拝見します。
費用は無料 / 毎月 5 件まで / ご返信がなければ、こちらから追いかけてのご連絡もしません
読み終わったあとに、もし「やっぱり大変そう」と思ったら
ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。
WordPress の保守運用は、ひとつひとつは難しくありません。
でも、本業をしながら 「毎月、忘れずに、ちゃんとやり続ける」 のは、
思っている以上にエネルギーがいることだと思います。
もし、
- 管理画面を開くたびに「これ、本当に大丈夫かな」と少し不安になる
- 更新通知が来てもしばらく放置してしまっている
- 何かあったときに、相談できる相手がいない
…そんな状態が続いているなら、AoideProduction の 「HPのかかりつけプラン」 を一度ご検討ください。
HPのかかりつけプランとは
月額 9,800 円で、ホームページの定期点検と困ったときの相談を任せられるプラン です。
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最低 6 ヶ月から。半年後は月単位で続けるか終えるか、自由に選べます。
実際にご利用いただいているお客様より
「HP の運用や維持管理など、長きに亘って手厚くサポートいただいています。
困ったことや細かな改善要望など、迅速かつ丁寧にご対応いただけるので非常に助かっております。」— Queta 代表 テツヲ様
「自分でやり続けるのもいいし、誰かに任せるのもいい。
どちらを選んでも、あなたのホームページが元気でいられることが、いちばん大事です。」
— AoideProduction 有田

